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小平セービングハウス


小平セービングハウスは、さまざまな次元での欲望(要求や必要性)を満たしつつ、セーブ(省かれ、抑えられ)し、制御されたつくられ方をしています。

住宅がつくられるとき、ひとつに内部空間の利便性、快適性をむねとする傾向があります。

たとえば、開口部を南と東面は大きくし、北と西は小さく、そして眺望のよい側を全面ガラスにする、またはプライバシーを配慮して小さくなど・・・。これらは自然条件、環境条件をふまえた、しごくもっともな要求からきています。このような内部空間への要求により穿たれる内部空間のためだけの窓は、いきおい、外観を無秩序にしてしまいます。こうしたことが、現状の都市風景をつくり出しています。一方、外観上の秩序を重んじすぎると、内部が使いづらいなどの軋轢が生じます。どうも、内部と外部のそれぞれの矛盾した要求を、たった一枚の外壁が、になっている点に無理がありそうであると感じています。

そこで、この住宅では、外壁をそれぞれ二重、三重の重構造にわけることで内外部のそれぞれの要求を別々の外壁面に分担させる手法を取りました。そのため、小さい開口部しかないようにみえるすっきりとした(船型の?)外観となり、戸建住宅群である周辺環境との調和をねらっています。しかも昼は照明をまったく必要としないほど明るく、風通しのよい快適な内部空間を両立させることが可能になりました。この考えは平面・断面構成でも明快にしています。平面的には。建物の両サイドに位置するふたつの水回りコアによって挟まれる中央部のヴォイド(吹抜け)が、上下3層にわたって視覚的に一体化されています。それにより、トップライトや南の大開口部、強化ガラスの廊下などからの光が、1階~2階はもとより、地下にまで十分にいきわたります。また、1階の透明強化ガラスの廊下により、上下階の連続性が強調されています。一方、快適な生活のために、多くの設備機器を多くのエネルギーで動かすのではなく、エネルギーもセーブ(節約し、蓄える)する仕掛けを内蔵しています。基本的には「OMソーラー」を利用し、暖冷房、給湯、換気を行うことで、かなりの省エネルギーを期待しています。また、地下室の除湿には、センサー制御の換気システムの効果が大変相性よい組合せとなっています。さらに雨水貯留槽やコンポストなども設置されています。以上のようにエネルギーを節約(セーブ)し、地球と人を救う(セーブする)家が目指されているのです。さまざまな内なる欲望を満たしつつも、都市風景が豊かなものにすべくデザインされた建築が、この「小平セービングハウス」の目指すところであります。

■ 建物名称:小平セービングハウス
KODAIRA SAVING HOUSE

■ 所 在 地:東京都小平市
Kodaira-shi,Tokyo

■ 用途:専用住宅

■ 設  計:㈱井口浩フィフス・ワールド・アーキテクツ
HIROSHI IGUCHI + FIFTH WORLD ARCHITECTS

■ 敷地面積:121.93㎡(約37坪)

■ 建築面積:48.06㎡(約14.54坪)

■ 延床面積:133.08㎡(約40.26坪)
(温室:4.5㎡(約1.36坪)、ロフト:14.58㎡(約4.41坪)を含む)

■写真:北嶋俊治氏